里見?いいえ「ラーメン発見伝」(久部緑郎・河合単)
今は昔、脱サラと言えばラーメン店か焼き鳥店が定石なようですが、過当競争の中に自ら飛び込む勇気と勝算が不明な筆者です。
コンビニで再販版の表紙を見たことがあるくらいでしたが、雑誌か何かで紹介されていて再販版が販売されるくらいだから面白いのかなと購入。
あらすじ
昼は落ちこぼれ商社マンの藤本浩平は、夜はこっそり副業でラーメン屋台を引きながら、自分独自のラーメンを開発していずれ店を開くという夢を持っている。
社内でただ一人藤本の秘密を知る同僚OLの佐倉祥子は、そんな藤本を応援していた。
ある時、大阪支社より転任してきた新しい上司の四谷課長が、社内でラーメン関連の事業を推進し始めたことにより、ラーメンへの造詣が深い藤本と佐倉が抜擢され、中心メンバーとして事業開発を任されるようになった。
そんな中、ラーメン評論家の有栖涼や、繁盛ラーメン店主の芹沢達也などと知り合うことになり、藤本のラーメン追究の道は大きく広がっていった。
感想など
食に関する漫画は、美味しいものを試行錯誤しながら完成させていく過程を描いていることが多いのですが、この作品は、味が今一つのラーメン店が美味しいラーメンを開発して繁盛店にと言う単純なストーリーではなく、ラーメン店を経営する上での問題点と解決方法などに重点に描かれているところに一線を画しています。
美味しいものを提供すれば繁盛するわけでない現状のラーメンブームが如何なるものか?と言うことを教えてくれたりします。
筆者も食に関わる仕事をしている関係上、学んだり「やはり、そういった形で物事を組み立てていくんのだ」と答え合わせができたり。
まだ全巻読破していませんが、レビューを読むと若干中だるみもあるものの最後は満足できるエンディングのようなので引き続き楽しみです。
ラーメンが好きというより、外食産業としてのラーメン店に興味があれば一読あれ。