白い巨塔(1978年・フジテレビ)
今は昔、母が病弱だったため「大きくなったらお医者さんになってね。」と言われて「うん僕、大きくなったらお医者さんになる」と答えていましたが、母親は元気でいて欲しいものの外科の印象が強く、学力はさておき人の命を左右する職責に到底やれそうにもないと思っていた筆者です。
幼少の頃テレビ好きでもなかったはずなのに、母親がファンだったのか定かではないが山口百恵さんの「赤い」シリーズと田宮二郎さんのドラマは記憶に残ってる。
2003年再ドラマ化されたのを機に懐かしさも手伝って早速購入したのがコレ。
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あらすじ
食道噴門癌の手術を得意とする国立浪速大学第一外科助教授・財前五郎は、次期教授を狙う野心に燃える男。一方、財前の同窓である第一内科助教授・里見脩二は患者を第一に考える研究一筋の男。
食道噴門癌の若き権威として高い知名度を誇る財前の許には、全国から患者が集まってくる。その多くは、著名な有力者やその紹介の特診患者。その卓越した技量と実績に裏打ちされた自信と、野心家であくが強い性格の持ち主である財前を快く思わない第一外科教授・東貞蔵は何かにつけて苦言を呈する。
財前は次期教授の座を得るため、表面上は上手に受け流すも馬耳東風。次第に東は他大学からの教授移入を画策。後輩でもある母校の東都大学教授・船尾に然るべき後任者の紹介を依頼。寡黙な学究肌の心臓外科医、金沢大学教授・菊川を推薦される。
菊川が大人しい性格である上に、妻に先立たれ独身である事に目をつけ、東は自身の引退後の第一外科における影響力確保を目論む。
感想など
「財前教授の総回診が始まります。」(初回は東教授)の院内放送とともに、渡辺岳夫さん作曲のテーマ音楽が流れる。
オープニングから白い巨塔の重圧を感じずにはいられない旋律。
おぼろげな記憶を重ねながら観ていましたがストーリーもさることながら、各シーンにおける出演陣の迫力に引き込まれてしまう。
錚々たる脇の中でも特に、財前又一(曾我廼家明蝶)、東教授(中村伸郎)、大河内教授(加藤嘉)、鵜飼教授(小沢栄太郎)の方々は筆者が幼少だったこともあり、皆さん本物の医療関係者かと思うほど感情移入できた。
山本学さん演じる里見がいて、更に完成度を高めてるわけで。
かれこれ30年以上前の作品なのに、その時代をリアルタイムで過ごした為か、古さや違和感がない。
唐沢版は全21回、田宮版は全31回。当然ストーリーの膨らみ方も違うが、これは局の事情だと思うので仕方ないところ。
なにより昔の俳優さんって今より精神年齢が上に感じると言うか、当時田宮二郎さんは42歳、筆者より年下なのにこの貫禄。
唐沢版のそれはそれでいいのですが、昭和の血が流れている筆者としては田宮版に勝るものなし。
基本、今のテレビドラマはあまり観ないのは、世界観にリアリティがないと言うか軽いのですよね。
そこらへんも含めて何か郷愁を感じずにはいられない作品です。
ココに注目!
ドラマに華を添えてるヒロインとして大地喜和子さん、島田陽子さんなどいらっしゃいますが筆者はなんと言っても上村香子さん。
役柄ですけど主人を立てつつ、出世もして欲しい、でも家族も大事にしてほしい。だけど何があっても最後はあなたの妻なのです。昭和女性に多くがそうであった「すがる感」がたまらん。
白い巨塔の中で、お嫁さんにしたいNo1だな。
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