今は昔、天国と地獄を経験したようなしてないような筆者です。

黒澤監督の名作の一つですが世代的に外れているので避けていたものの、昭和フリークとしては知ったかぶりするのもなんだしdTVでレンタルされていたので課金したのがコレ。

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あらすじ

ナショナル・シューズの権藤専務は、大変な事件に巻込まれてしまった。明日まで五千万円を大阪に送らないと、次期総会で立場が危うくなるというのに、息子の純と間違えて運転手の息子進一を連れていってしまった誘拐犯人から、三千万円をよこさないと進一を殺すという電話があったからだ。苦境に立った権藤は結局金を出すことになった。権藤邸に張りこんだ戸倉警部達は権藤の立場を知って犯人に憎しみを持った。金を渡す場所。それは、明日の第二こだまに乗れということだった…。

感想など

ストーリーは前半の誘拐部分と後半の捜査とわかりやすく分かれていて、共犯などに一ひねりあるかと思ってたけど結構王道に流れていきます。

「天国と地獄」の意味が権藤の置かれた状況に対してか、権藤と犯人との境遇に対してなのかは解釈に悩むところ、まあせめてこう終わって欲しいよねと言った結末ではあるのでスッキリとはいかないまでも後味は悪くない。

筆者、昭和フリーク。また額面通り楽しむより裏話を仕入れた後に観るのが楽しみで、この天国と地獄に関して言えば身代金の入った鞄が実は筆者愛用の吉田カバンの特注品。当時鉄橋の側に2階建ての家屋があったらしいのだが撮影に邪魔だと言うので一時的に2階部分だけ取り壊されている。(後で原状復帰されたようだが。)時期も真夏の出来事で描写されているが、撮影は真冬にされている。などなど。

モノクロフィルムだったからとはいえ、真冬に氷を頬張り吐息一つに気を遣い、スクリーンから灼熱すら漂うプロの演技力に脱帽を禁じ得ない。

高度経済成長最中とはいえまだまだ発展途上だった時代。貧困の格差、文化の未成熟など今では国際的にモラルを評価される日本でも、一時代前はこんな感じだったのだと。経済的発展が民度と文化を向上させるのだと昭和映画黄金期の映画を観るたびに思うところ。

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