レッド 1969~1972(山本直樹)
今は昔、時折テレビから流れる安保闘争の学生運動をみて「昔の人はパワフルだったよね。」と能天気に視聴をしていた筆者です。
家にお風呂がなく公衆浴場に通っていた頃、番台近くに貼られている「指名手配」の写真を見るのが習慣でした。
「悪い事した人達」の写真をみながら、それがまだ終わりを告げていなかったとは当時は考えもせず。
あれは何だったのだろうと、事件と作者に回顧と興味が沸いて購入したのがコレ。
あらすじ
1969年、東京大学安田講堂の陥落を境に全共闘運動は勢いを失いつつあった。
革命の退潮に抗うように、ダイナマイトによる非合法のゲリラ闘争へ傾斜していく革命者連盟のメンバー。
しかしリーダーである筑波を始めとして多数のメンバーが逮捕されたことで組織崩壊の危機に直面することになった。
彼らは筑波を奪還するために、交番を襲撃して拳銃を奪取する計画を立てる。
この作戦を契機に革命者連盟はもう一つの急進的グループ「赤色軍」との同盟関係をうち立て、いっそうの武装闘争路線へと突き進んで行くのだが…。
感想など
本作はフィクションであると注意書きが書かれていますが、かなり史実に忠実に基づかれて描かれているようです。
筆者は丁度この時代に生を受けましたが事件は収束しつつあり、まだ幼かったため周りのニュースやテレビ放送はただの「画像」でしかなく。それが何を伝えているのかはよくわかっていませんでした。
山本直樹さんはどちらかと言えば官能漫画家のイメージが強く、その路線でパロっているのかと思いましたが、この「レッド」に至っては巻数を重ねるごとに人間が狂気と化した描写に何とも言えない恐怖を感じずにはいられません。
インターネットも携帯電話もなかった時代に、思い込みは若者の特権であったにせよ。多くの学生が熱狂し、偏った思想に青春の全てを賭けた。
浅間山荘事件を知っている人も知らない人も一読して「総括」してみては。
筆者、全8巻を読み終わり今ココ↓
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